Tシャツプリント用データ作成|画像をベクター化する際に手作業トレースが必要な理由

こんにちは、掛川市のオリジナルプリントTシャツ専門店「OUT NUMBER」です。

今日は、私たちの業務の中でも特に重要な「Tシャツプリント用のデータ作成」についてお話しします。お客様からお預かりした画像を、どのようにして美しいプリントに仕上げているのか、その舞台裏をご紹介いたします。

Tシャツプリントに適したデータとは?

お客様からは、スマートフォンで撮影した写真やインターネットからダウンロードした画像、手書きのイラストなど、さまざまな形式のデザイン案をお預かりします。しかし、これらの一般的な画像データ(JPGやPNGなどのビットマップデータ)には、Tシャツプリントに使用する上で大きな問題があります。

それは、拡大すると画質が荒れてしまうことです。

拡大すると、このように画像が荒くなります。

小さな画像を大きなTシャツにプリントしようとすると、輪郭がギザギザになったり、ぼやけたりしてしまいます。せっかくのデザインが台無しになってしまうのです。

画像をベクター化する必要性

そこで必要になるのが、画像をベクターデータに変換(ベクター化)する作業です。

ベクターデータとは?

ベクターデータは線のデータ

ベクターデータは、画像を「点の集まり(ピクセル)」ではなく、**「数式による線と図形」**で表現したデータです。

この最大の特徴が、どれだけ拡大しても画質が劣化しないこと。小さなロゴも大きな背中プリントも、同じデータから美しく仕上がります。Tシャツプリント業界では、このベクターデータが印刷品質を左右する重要な要素なのです。

ベクターデータのメリット

  • サイズ自由自在:キッズサイズからXXLサイズまで、どんなサイズでも鮮明
  • 輪郭がシャープ:拡大してもギザギザにならず、くっきり美しい
  • データの再利用が可能:追加注文でも同じ品質を維持
  • 印刷トラブルの防止:高品質データで印刷失敗を回避

自動トレース機能の限界

実は、Illustratorなどのデザインソフトには「画像トレース」という自動でベクター化してくれる便利な機能があります。ワンクリックで画像をベクターデータに変換できるため、作業時間を大幅に短縮できます。

しかし、この自動トレース機能には致命的な問題点があります。

自動トレースで起こる問題

トレースだけだと入稿した画像と違う雰囲気に
  1. 線が歪んでしまう
    まっすぐであるべき線が微妙に曲がったり、波打ったりします。
  2. 角が勝手に丸くなる
    シャープであるべき角が丸められ、デザインの印象が変わってしまいます。
  3. 細かいディテールが失われる
    繊細な線や小さな装飾が省略されたり、簡略化されたりします。
  4. 元のデザインイメージとずれる
    全体的な雰囲気や質感が、お客様の意図と異なる仕上がりになります。

お客様が大切に考えて作られたデザイン。その微妙なニュアンスや細部の表現が、自動処理では失われてしまうのです。

なぜOUT NUMBERは手作業トレースにこだわるのか

手作業トレース:どれだけ拡大しても綺麗に印刷できます

お客様から頂いたデータをそのまま綺麗に印刷したい。

その想いから、OUT NUMBERでは時間と手間をかけて、一本一本の線を手作業で引き直しています

自動トレース機能を使えば数分で終わる作業も、手作業では数十分から数時間かかることもあります。しかし、お客様の大切なデザインを預かっている以上、妥協はできません。

手作業トレースの具体的なプロセス

1. 元画像の詳細な分析
お預かりした画像を細部まで確認し、デザインの意図やこだわりポイントを見極めます。

2. ペンツールで一本一本線を引き直す
Illustratorのペンツールを使用し、元画像の輪郭に沿って丁寧にパスを作成していきます。この作業が最も時間がかかり、技術が求められる部分です。

3. シャープな角はシャープに保つ
自動トレースでは丸くなってしまう角も、手作業なら元のデザイン通りのシャープさを維持できます。アンカーポイントの位置を慎重に決定します。

4. 滑らかな曲線を美しく再現
曲線部分は、アンカーポイントとハンドルを丁寧に配置し、自然で美しいラインを実現します。

5. 細部まで忠実に再現
文字の太さ、線の間隔、細かな装飾まで、元のデザインを忠実に再現します。

6. 色の正確な設定
プリント方法(シルク印刷、インクジェットなど)に応じた適切な色設定を行います。

手作業トレースだからこそ実現できる品質

時間はかかりますが、手作業トレースには自動機能では得られない大きなメリットがあります。

元のデザインへの忠実性

お客様のデザインの意図を汲み取りながら、元画像の雰囲気を損なわないよう細心の注意を払います。「ちょっと違う」というズレが、完成したTシャツを見たときの満足度を大きく左右するからです。

プリント品質の向上

手作業で丁寧に作成したベクターデータは、印刷時のトラブルが少なく、思い通りの仕上がりを実現できます。

長期的な使用に対応

一度しっかりとしたベクターデータを作成しておけば、追加注文時も同じ高品質でプリントできます。

ベクターデータで広がる可能性

手作業で丁寧に作成したベクターデータがあれば、以下のような幅広い用途に対応できます:

  • 様々なサイズの商品に展開:Tシャツだけでなく、キャップ、トートバッグなど
  • 色違いのバリエーション展開:簡単に色を変更して展開可能
  • デザインの部分使用:ロゴだけ、イラストだけなど柔軟な使い方
  • 将来のリオーダーに対応:データが残っているので、いつでも同じ品質で製作可能

こんな画像でもベクター化できます

OUT NUMBERでは、以下のような様々な画像をベクターデータに変換しています:

  • 手書きのイラストやロゴ
  • 低解像度の画像データ
  • 古い写真やスキャンデータ
  • 名刺や印刷物のロゴ
  • インターネットからダウンロードした小さな画像

「このデータでTシャツプリントできるかな?」と不安な方も、ぜひご相談ください。

※画像によってはベクターデータ化が難しい場合も御座います。

プロの技術で、想いを形に

画像をベクターデータに変換する作業は、単なるデータ変換作業ではありません。

お客様が込めた想い、デザインの細部に宿るこだわり、そのすべてを大切に受け止めながら、最高の仕上がりを目指す職人仕事だと考えています。

だからこそOUT NUMBERは、自動トレース機能に頼らず、一本一本の線を手作業で引き直すことにこだわっています。

時間はかかっても、お客様のデザインを忠実に、美しく再現する。それが、私たちのプロとしての責任です。

まとめ

Tシャツプリント用のデータ作成において、画像をベクター化する作業は非常に重要です。
自動トレース機能は便利ですが、線の歪みや角の丸まり、イメージのずれなど、様々な問題が発生します。
掛川市のOUT NUMBERでは、お客様の大切なデザインを忠実に再現するため、手作業トレースにこだわっています。

一本一本の線を丁寧に引き直し、元のデザインの魅力を最大限に引き出す。その結果、どんなサイズでも美しく印刷できる高品質なベクターデータが完成します。

「この写真をそのままTシャツにしたい」
「手書きの絵をデザインにしたい」
「会社のロゴを綺麗にプリントしたい」
「データが古くて画質が悪いけど大丈夫?」

どんなご要望やご不安も、OUT NUMBERの丁寧な手作業トレースにお任せください。

お客様の大切なデザインを、私たちの技術で最高の形に仕上げます。


OUT NUMBER
掛川市のオリジナルプリントTシャツ専門店
プリント用データ作成・ベクター化もお任せください。


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